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山崎まさよし『Quarter Note』(19.11.13)

Quarter Note(通常盤)

 最近、巷で、流行りの。先取りをする、啓蒙啓発が好きな人。今、本当にみんな、それが生き甲斐で、という、発信するのが、好きな人。たくさん、居るのを、ご存知挙げています。

 今、デビュー25年目を、爆走する、47歳のシンガーソングライター、あまりにも素直な愛情で知られる、この世界で、一番素晴らしいシンガーソングライターの、14枚目の、オリジナルアルバム。それが、このアルバムです。

 彼、山崎まさよしは、その、先取り、インスパイア野郎の、先駆けとでも言うべき、果敢な、山羊座らしい、素晴らしく、潔癖な性格で知られる、定規のような、表現者です。かつて、恋に敗れ、夢に叶って、10年以上も、ひとり歩み。退かず、振り向かず、やがて、また、恋を描いた。その、不燃的な愛情に、朽ち果てなかった情熱に、歩いてきた道を、総括するように。連続が適うように。作り上げた、素晴らしいラブソングの、アルバムです。

 なんと言っても、20代最後のアルバムだった、『transition』のような、アメリカンで、渇いた音像が、美しく。ギターが派手で。歌が上手く。声が変わらず。作詞がキレていて。楽曲が安定しており。和音が美しいです。<4分の1音符>という意味の、アルバムタイトルです。あの頃、<過渡期>とつけられたアルバムを聞いた際、瞬間に賭ける表現者の、麗しい音楽に、讃え、賛辞として書いた文章を、思い返していますが。

 20年を隔てようと、している昨今。何故、彼はこれほどまでに、ギターを駆り、躍動的に前へ進もうとするのか。それは、先駆者としての、プライドだろう、と思います。

 かつ、ギシギシしたものでなく、余裕を持ったものだと、わかりますが。そのことが、これからの、インスパイアを強いられ過ぎる時代を迎えた日本に於いて。何よりも、何よりも、当てになる音符、則ち、規則だと、三角定規の構造で、出来上がった世界の中で、思う次第です。

 和音の階調が、美しく、夕焼けの琵琶湖のようだと、以前見た、美しい景色を思い出します。性格に適わぬ、美しい気障ったらしい、良い意味で、あでやかな曲達を聞きながら、人が、ひとりだけを、愛し続けることの、難しさと、果たした道徳が、あまりに華麗に咲き誇っている、揺るぎなさに、誰でも真似をして欲しいなあ、と、あたしも、そう書いておきます。

 これからも直観と、悟りの時、令和が続きます。道を開けますよう。夢でなく、真実として。