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Avril Lavigne / Avril Lavigne (13.11.06)

アヴリル・ラヴィーン

 

 アーティストが、時折、自分の名義の名前を、アルバムタイトルにするとき、実際には、どんな思いで、その行動に出るのかが、不勉強な私は、なかなか掌握することが出来ません。いや、実際な話、「これが自分だ」とは、どんな心持ちであろうかと。ファンキッシュなパターンの、グラムロッカー、アヴリル・ラヴィーンです。

 まず、1曲めから「ロックンロール」という、ありがちですが(笑)、力強いロックンロール宣言から始まります。最後のコーラスの<ポテンシャル>というところが、最高に深いです。アヴリル・ラヴィーンとは、賢いという意味だと、私、シェリルは、この頃、わかるようになりました。若い頃、出始めの頃は、すこし自信が過多なんではないかな、と、ちょっとは思っていたのですが、年齢を重ね、このとき29歳。羅針盤のような、彼女の直観に、しばらく善しかかってきた、世界なのでした。

 英語の楽曲を専科にしている。英語の音楽の中で、一番いいのは、英国のレディオヘッドだと。そう、書いてあります。それが何よりも正しく、私が聞きたかった言葉なのでした。ハローキティは、カナダ人の女性が見ても、可愛いのだと。猫が好きなんだろうなとか。確かに、自分が好きなことだろう、割とプレーンなだけのアレンジメント、とか。凝ってないけど、力強いリズムパターンとか。可愛げのある、おっとりした録音ボイスとか。歌が、上手いとは、正直、最初は全然思っていなかったけれど、今は上手いなと感嘆しながら聞いていますね。

 動力が強い。声、だいぶ変わりましたけど、独特の毒気のある口使いだけは、変わらないですね。いつも、彼女を見ると、あちらの音楽家にありがちな、俗にファーストカットと呼ばれる、自分のデフォルメされた、イメージング的な決まり事ね。金髪にするとか、カラコン入れるとかをね、すごく知的に考えたんだろうなあ、と、思ったりします。素晴らしいです。

 この盤のテーマは、永遠とは何か、であるとか。あるいは、無念とは何であるか、とか。青春とはどういうものか、とか。半分でしかない、自分の時制であるとか。ミスター・チルドレンの高名な曲(不倫の歌で知られる曲です)の、2曲目のサビメロで出てくる<Stay>という言葉が、すごくカナディアンなコーラスで響くさまが、永遠と青春を思わせる、いい作品です。すべては、つながっており、不変こそ永遠だと、青春の姫は、知っていると思います。