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Avril Lavigne / The Best Damn Thing (07.04.17)

The Best Damn Thing

 

 段々、深みを増していく、というのは、人間が生きていれば、必ず、大体、往々にして、そうなるものだな、と、多分、誰でも考え付きそうなものですが、それにしても、口で、言葉で言うほど、それが、簡単なものとか、ことでは、ないのだと、そういうことを、考えるのも大切なことですよね。

 青春ロック。誰でも、結構支持していたりします。けれど、私は、あまりそれが得意ではありません。理由は、軽薄そうに、思えるから。けれどね。この、もうだいぶ経ちましたが、10年以上前の、20代の頃の、アヴリル・ラヴィーンの『The Best Damn Thing』を聞くと、なかなか明快ですが、何回でも聞ける、いい、懐の深さを、アヴリル・ラヴィーンの表現は、持っているなあ、と、思い起こせたり、します。

 うん、明快と軽薄は違う言葉なんだ。というのは、この現在(2018年の)音楽文化において、すーごく勉強したい、言葉の中に、大きく含まれていると、思います。

 特に、私は、ここを強調したい。いい音楽を聞いて、元気に仕事して、生き生きと、していられるのが、人間にとっては、一番いいことです。音楽のヒーリングパワーは、素晴らしいです。もうマッサージのよう(笑)。そうして、その中でも、アヴリルのは、ぐっとパワフルで、彼女の生命力のきらめきを、感じさせる。そのゆえ、人間としての、あたたかさのようなものを、感じさせてくれたり、しますね。

 でも、どうして、彼女は、金髪に脱色して、そうして、カラコン(ですよね)も、入れて、そうして、架空でもないだろう、リアルなイメージに、溺れることなく、のめり込んで書いているのだろう、と、複雑かつ不思議に思えたりも、します。人間は生きていると、そのうち、その勝手なイメージが、嘘じゃないことに気づいたりします。

 私は、この盤の中では、特に、「When You're Gone」が好きだったりします。ずっと、聞いていますが、どうしても、このほの若い、甘くない、からっとしたバラードが、気になるのです。いい意味で、贔屓にしたくなる、何かがあるというのか。20代前半の、女性が、自分が悲劇の恋愛をしたことを、知らなかった。と書いているバラードというのは、稀有なことです。

 彼女は、きっと、頭が、コンピューターよりもよくてさ。何か、秘密になっているような、過去と、イカサマではまだなかった若さを、天秤に掛けて、考えたんでしょうね。