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西野カナ「アイラブユー」(18.04.18)

アイラブユー

 なんかファンクな歌い方で、よく聞くと結構こわいことを、歌っていたりします。失恋じゃなしに、結構もっと大きな絆を感じさせる曲ですね。まあ最初からカナやんのはそうですが。うん、デビューシングルからしてそう。彼女は商業歌手のひとで、そういうタイプはあんまり難しい編曲パターンとか趣向性として、考えない、または思いつかないんじゃないかな、と思ってたり、ふだんあたしはそう信じてたりするんだけど、割とカナやんは張り込んでいますね。これってサイケだよね。

 でもピロピロ音がソニーらしくて、思わず笑ってしまいます。カナやんはアレンジをどこから詰めるんでしょうね。最初からここソニーってするのかしら。うむ気になる。で、ファンクな発音。ブラックコーヒーってところに歌手生命をかけて歌ってらっしゃいます。あたしね、最近ね、ファンクはどうやって作曲するんだろうと、スガシカオさんの前期の曲を思い出しながら考え中なんですわ。カナやんはなんでスガシカオタッチにしているんだろう。

 カナやんはデタラメに頭のいい、温厚な性格で知られる歌手です。男がいなさそうなのもナイスなポイントです。でもって痛ましい失恋ソングが特技で。難解な女傑だと思うよ。そんでそれにしたって、その淡白なラブソングが節が合っているので、どっきりしなくて、聴感上、説得力があって、かつ聞きやすい。これはカナやんの大発明というもので、自分の実史でなかろうが、強く響く。めずらしいんだよ。これはね。でも実際にカナやんがくぐってきた、もしくは今エンジョイしている恋愛はどんなものであったのか。それがね、透けて見えないのが彼女らしさで、気違いでないつましい精神から、出る声のピッチもいい方なんですよ。

 もうじき安室奈美恵さんが引退しますが、奈美恵さんの後の日本の大黒柱をしてくれる素晴らしい女傑です。浜崎あゆみさんは、直情熱血漢のいい歌手で、冗談抜きに歌の迫力がありますが、そういう漢な感じでない、緩い方の歌い方のカナやん。でももうちょっとボルテージとか欲求される瞬間が今後出てくるでしょうから、ココロの準備をしておいてくださいね。

 男と女の道にミスマッチはございません。やっぱり男に女は、ドキドキとかときめきを求めたりするものだと、あたしは思います。これはそうでもない話なのかなあ。やっぱ人間愛はちょっと物足りないかな。でも素敵な運命の人ですね。めずらしいんだよ。そういう。